• 家づくりの基礎知識 掃き出し窓

    NO.016

    家づくりの基礎知識 掃き出し窓

    家づくりの基礎知識 掃き出し窓

    住宅を購入する際に、窓は優先してチェックしたい場所の一つです。
    採光や風通し、防犯性能など、快適な住居とするために窓の役割は大きいです。
    窓にはさまざまな種類がありますが、その中でも一般的に使用されることが多い掃き出し窓のメリット・デメリットについて
    お伝えします。

掃き出し窓は、リビングからバルコニーにつながる大きな引き戸式の窓です。
窓の最下部が床面に接しているので、窓から外に出ることができます。
元々、ほうきで掃除をしていた時代に家の中のゴミを外に掃き出す役割を持っていました。
そのため、現在のような大きな窓ではなく、小窓であることほとんどでした。
掃除機が普及したことで、以前のような役割がなくなった掃き出し窓は、バルコニーに出るための
テラス窓と呼ばれることもあります。
掃き出し窓は左右に引いて開け閉めをする引き戸式の窓ですが、他にも上下にスライドさせる上げ下げ窓や、外に押し出すタイプの押し出し窓、ヨーロッパで多い外開き窓などデザインや用途によってさまざまな種類があります。

住宅を購入するときには、生活スタイルに合わせて適した窓を検討してみてください。

掃き出し窓のメリット・デメリットをお伝えする上で、まずは窓の役割を理解する必要があります。
窓の役割は、第一に採光です。
電気のない時代は、太陽の光が唯一の明かりだったため、家の中に窓は必要不可欠でした。
現代でも、電気をつけなくても明るいというメリットだけでなく、暖房にかかる電気代が節約できるなどの点で、太陽の光を取り入れることは重要です。
採光という観点では、掃き出し窓は最適な窓です。
床面に接しているため、太陽光を遮らずに部屋の中へ取り入れることができます。
朝からカーテンを開け放しておけば、気持ち良く目覚めることができるでしょう。
太陽光を浴びることは健康やうつ病の予防にも良いとされています。
大きな窓からの採光は生活していく上で大切な意味を持つのです。

次に風通しです。
快適な生活の大敵となるのが部屋のカビです。
カビは湿気の多い部屋で発生します。
人が生活すれば呼吸から水蒸気が発生し、料理やお風呂、室内干しの洗濯物など、湿気を発生させる要因は室内に多いです。
そのため、風通しを良くして換気を行わないとカビが発生してしまいます。
アレルギーの原因にもなるので、特に小さなお子さまのいる家は十分注意してください。
風通しの面でも掃き出し窓は有効です。
大きな窓から気持ちの良い風を取り入れることができます。
ただし、一面だけあっても風は通らないので、風の抜け道をつくりましょう。
採光・風通し以外には、窓の役割としてデザイン性の意味もあります。
大きい窓があれば開放感が生まれ、部屋が広く感じられるという点で、掃き出し窓は最適な窓でしょう。
最近ではバルコニーと部屋の段差をなくして、
掃き出し窓を挟んで部屋が続いているように感じられる作りのデザインもあります。

掃き出し窓は、窓の役割として十分に高い性能を持っていますが、弱点もあります。
まず最大のデメリットは防犯面です。
一戸建てで一階のリビングに掃き出し窓があれば気持ちの良い居住ができますが、反面、防犯の不安が大きくなります。
カーテンを開けていれば外から見えてしまうので、生活環境がのぞかれてしまいます。
また、一階の掃き出し窓は外に出やすいですが、侵入者からも観察しやすく、室内に侵入しやすいです。
一階に掃き出し窓があるならば、防犯ガラスにする、カギを強化するなど、対策を十分に行いましょう。
次に、冷暖房効率でもデメリットがあります。
窓が大きいほど夏には暑く、冬は寒い部屋になるのが一般的です。
大きい窓は日当たりが良すぎることで、夏は室内が熱せられてしまいます。
最近では、冷暖房効率をあげる対策として、気密性を高めるために窓を小さくしたり、熱を逃さないようにサッシを二重にする対策をとる住宅も増えてきました。

家づくりの基礎知識 掃き出し窓

ここまで、掃き出し窓のメリット・デメリットをお伝えしましたが、掃き出し窓の欠点を補っている、
腰高窓を紹介します。
掃き出し窓との違いは、窓の最下部が床から90cmほどにあることです。
高さがあるため、侵入者も入りづらく防犯面で掃き出し窓より優位性があり、また窓が小さい分、冷暖房効率も良いです。
家具の配置という点では、腰高窓をうまく取り入れた方が良いでしょう。
例えば、リビングを開放的にするために、2面を掃き出し窓としている部屋があります。
家具を配置する前には開放的で良い部屋に見えるかもしれませんが、いざ家具を配置しようとすると、
ソファや勉強机、テレビ台など壁につけて配置したい家具を置ける場所がないことに気づきます。
その点で腰高窓であれば、窓の下に家具をおけるので、都合が良いです。
他にも採光を目的とした小さな採光窓もあります。
どれが一番良いということではなく、さまざまなタイプの窓を組み合わせて配置することが重要です。
そこで過ごすイメージを浮かべながら部屋を選びましょう。
窓をうまく組あわせて、快適な生活空間のある家づくりを行いましょう。